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平和ボケした僕らのための日録。30代・既婚者・ベース・機材・バンド・ラジオ

20190208 THE BACK HORN@日本武道館

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THE BACK HORN結成20周年イヤーの締めくくりとして開催された"KYO-MEIワンマンツアー KYO-MEI祭り"のツアーファイナルとしてバンド史上3度目の日本武道館公演に行ってまいりました。

 

物販列が結構長くて大変でした。開始1時間前に並び始めても購入し終えたのは開始時刻から1.5時間後。買ってすぐホテルにチェックインして風呂に入った。会場で長時間並んだ方、お疲れ様でした。

 

武道館恒例関係者からの花では過去に対バンしたバンド、所縁のある方からはもちろんだが、同じレーベルでありながら共演がなかった斉藤和義さんから花が来てたのは意外だった。あと、岡峰さん宛の花がやたら大きかったり、フラッドのヒサヨさんからはなぜか個人で来てたり、少しニヤニヤした。

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銀河遊牧民先行でチケットを入手したので、念願のアリーナ席。しかも最前ブロック5列目と超良席でした。

カメラの台数やステージの仕掛けが少し分かってしまう。上手と下手に、階段で1階席の高さまで上がれる花道もあった。

オープニングはツアーSEに合わせてドラム後ろのモニターでここ20年のリリース作品を振り返る映像が流れた。岡峰さん画の狼が草むらをかき分けて過去のリリース日を超えて、2019.2.8に辿り着く、というものでした。長年応援してきた身としては、あれはあの作品がリリースされた日だな、っていうのがなんとなくわかる(俗にいう西暦野郎である)。少しここで涙腺が緩む。

 

1曲目、竿陣の機材とザクンと弾くフレーズで"やはり"これかと思わせたのは「その先へ」

バンドの結成から"闇を突き抜けて どこまでも"と歌ったこの曲は今日の公演のために歌ったと行っても過言ではない満場一致の1曲目。イントロからステージ上から炎が上がり、まるでB'z状態。MVの様子からも伺えるが、これほど炎に負けないほどの情熱のあるバンド他にいたら教えてほしい。1サビ終わりに山田さん、エレカシのミヤジさんみたく大股を広げてた。最近ミヤジさん的な動きが多いので30周年の頃には「エビバデ〜」とか言ってるかもしれん。

ブラッホールバースデイでは、ここ最近山田さんのファルセットが出たり出なかったり、というその日のお楽しみって感じだが、今日は出かけて出ないっていう感じだった。

サニーを観てて気づいたのは松田さんが右手のスティックを少し短めに持っていること。先日の怪我の影響だろうか。1公演のみ振り替えて早々にステージに戻ってくれたのは嬉しい。THE BACK HORNは活動を休止することもなく常に新しい方向性を模索してきた。怪我による延期も聞いたことがないし、菅波さんがインフルエンザになったというくらいか(9mmとの対バンツアーで代打で滝さんが数曲やったが)。ちなみに、Dメロの「大きな手〜」では会場中が手のひらを大きく掲げていた。

 

罠→ジョーカー→ひとり言→悪人→雷電というTHE BACK HORNが得意とする、轟々となるサウンドの中で、人の弱さ、鬱屈、醜さ、寂しさを歌った。この流れはすごくボーカルとしてはエネルギーが必要なんだろうな。

ジョーカーのヒリヒリとするシャウトパートでは裏腹に冷静に演奏する3人、ひとり言では4人が一体となった一つの塊でステージ上に寂しさをぶつけた。ひとり言サビ最後のシャウトはここ今までで一番刺さった。10年前の武道館でも同じような流れがあったが、今もその危うさは続いたままだった。ちなみにジョーカーは名古屋でも観たんだが、このツアーから間奏の雷のようなノイズを同期するようになってる。

悪人ではスクリーンに映像が同期されていた。サビの映像で俺は完全に精子がウヨウヨしていると思って観ていた。違ったらすまん。

スティックの2カウントからお経のようなドラム・ギターに岡峰さんが両手を頭上で合わせる謎の“タケノコポーズ”をキメる雷電ではおどろおどろしい雰囲気がステージ上で渦巻いた。映像も暗雲を切り開いていくようで最後には清々しさがあった。

 

コール&レスポンスが恒例となったコワレモノでは菅波さんが第一声で「アリーナ〜!」って浜崎あゆみの声マネみたく発したので声出して笑った。シャクレながらの「神様だらけの\スナック/」で会場全体の声が篭ったりまじめに面白いことを仕掛けてくるのが最近の菅波さん。サビのコーラスはピョンピョン跳ねながらだったけどちゃんとマイクに声入ってた?

 

岡峰さんの歪んだベースから始まり、平熱の生活を歌った“初めての呼吸で”は個人的には「死んでやると飯を焚きながら日々を越える」ってフレーズが本当にバックホーンらしくて好き。結局越えるしかねぇんだよな、っていう人間臭さが彼らならでは。この武道館で聴けてすごく嬉しかった。ちなみにキーを半音下げていた。

ヘッドフォンチルドレンをライブで聴いたのは記憶がないので初めてだったかもしれない。岡峰さんはベースを親指で柔らかく弾いていていた。Bメロのコール&レスポンスは振られなくても歌う、飼いならされたファンたち。

美しい名前。正直食傷気味かなぁ〜って思ってたけど、この曲ってアレンジが点と点をつなぐような繊細なアレンジで、シンセやストリングスを入れずに(ホールツアーではストリングス、シンセはあったけど。あれはあれですごく良かった。)4人だけでやって成り立ってるから素晴らしいロックバラードだよな。ちょっと昨日ので見方が変わった。

 

未来。数日前に聴いて「これ武道館で聴けたら最高だよなぁ〜」って思ってたらなんと。

ここまでのバラードパートでは正直、山田さんの声は全快ではなかった。未来も例によってキーが高く、観てるこっちとしては結構ハラハラしてた。だけど大サビの「何処まで信じていける」から力が解き放たれたかのように声が、しかも搾り取るようなシャウトがいきなり出た。なんというか、フッと力が抜けたのか?バラードではスタンドにマイクを立てて歌うのが通常だが、自然とスタンドからマイクを取り外しハンドマイクで歌い出した。そりゃ今日のセットリストのようにこれだけ感情の落差がある曲たちを操るのはすごく大変なことだ。彼らは真面目な性格だし、妥協もしない(と思っている、MCを除いて)。バンドの意地、覚悟を感じた。

 

Running Away。MCを挟んだが、先ほどの未来のシャウトから声の調子が抜群に良くなった。この曲でも炎が上がり、曲調と相まって気分が高揚した。この炎が上がってる時の山田さん、格好も相まって魔法使いのようだった。

そしてグローリア。山田さんが時折菅波さんや岡峰さんの肩を組み歌っていた。

シンフォニアでは山田さん、岡峰さんが縦横無尽にステージを駆け回る中菅波さんはそっと客席を見渡していた。

そして、コバルトブルー。マニアックヘブン以外でやらないとかはないんじゃないかって感じだが、いつもに比べ今回は菅波さんのピッキングがかなり強かったように感じた。その前のシンフォニアで柔らかめなピッキングだったからか。この曲はいつ聴いても、むしろ年々勢いが増している。気がする。

本編最後は刃。金銀の紙吹雪がアリーナに舞い、華やかにステージが締めくくられた。

 

アンコール。岡峰さんは白狼ツアーT。ていうか本編の岡峰さんのブルゾン?すげー暑そうだったよね。

松田さんもビッグTから普通のTシャツに。松田さんも肘あたりの袖が邪魔で叩きにくそうな格好だな、って思ってた。

 

1曲目は冬のミルク。2018年はサビ入り前で岡峰さんが7thを活かしたアレンジだったが、また変わっていた。

「最新曲です」と紹介し始まったハナレバナレ。バックホーンならではのアップテンポに、クうリズムが多用されていて演奏がすごく難しそうだよね。この曲に続くコラボ曲も今年はすごく楽しみ。先週公開された世武さんボーカル曲も意外な組み合わせでびっくりした。

最後は無限の荒野!金銀の紙テープが今度は飛んできた!まさかバックホーンがやるとは思わなかったなぁ〜!拾おうとしたけど、冷静に「これ拾っても、使い道ねぇぞ?」となって諦めた。1サビでは菅波さんマイクに岡峰さんも入ってビートルズ的なコーラスの配置だった。

 

感極まったのか、岡峰さんはベースを放り投げて早々に退散。残る3人も割と早くステージから去った。本当にあっという間の時間だった。しかし充実度のかなり高い公演だった。

 

今回、もしかしたら一番調子が良かったのは菅波さんだったんだろうな。調子というか自分のことをよく分かってるというか、冷静だったというか。「誰かが調子悪い時にどうカバーするか」みたいなことを太陽の中の生活ツアーのドキュメントで誰かが言ってたけど、お茶目な感じでやってるけど、実は俯瞰で見ている彼はすごくクレバーなのかもしれない。

 

20周年イヤー(今更だけど、なんだよこの呼び方、“頭痛が痛い”かよ笑)のタイミングで仕掛けてきたいくつかのライブは本当に4人が一体となり、塊となり、観客の体に強い衝撃を与えるようなすごくパワーが溢れていた。観終わった時の達成感が毎回すごい。20周年イヤーが無事に終わり、今後の活動にも期待しています。何処までもついていきます…!

 

機材の話、今回は横に花道があったので、岡峰さんはもちろん、菅波さん山田さんもワイヤレスをつかってた。アンプも菅波さんは2台併用、岡峰さんはいつものアギュラーに加えて1回目の武道館に使ってた侍の絵が描いてあるBASSONのキャビネットも使われていた。

 

1.その先へ

2.ブラックホールバースデイ

3.サニー

4.罠

5.ジョーカー

6.ひとり言

7.悪人

8.雷電

9.コワレモノ

10.初めての呼吸で

11.ヘッドフォンチルドレン

12.美しい名前

13.未来

14.Running Away

15.グローリア

16.シンフォニア

17.コバルトブルー

18.刃

en1.冬のミルク

en2.ハナレバナレ

en3.無限の荒野

 

おまけ・帰りの新幹線でカバン漁ってたら拾ったはずのない紙吹雪が入ってた。

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